あらがい動く

動かなければ 事はならず

考えなく動くことを 無才という
考えをさしてしないで動くことを 軽率という
考えを放棄して動くことを 無謀という
考えをしっかり持って動くことを 慎重という

動いてはじめて 事は見えてくる

状況を判断できずに動くことを 無知という
状況の判断を間違え動くことを 失敗という
状況を飲み込めずに動くことを 勝手という
状況をわきまえ動くことを 聡明という

時には動かぬ事で 本質を見極める

本質が見えぬことを 混迷という
本質が少しずつ見えることを 苦悩という  
本質に触れることを 探究という
本質に行き当たることを 感動という

動かなければ 事の大事を知らず

どう動くかを考えることを 試行という 
動いた後に考えることを 熟考という
考えた後にまた動くことを 挑戦という
その愉しき紆余曲折に富む道程を 人生という

考え動いてこそ見出す 生きるということ 

慎重にも 聡明にも 感動にも
遙かにして いまだに至らず
いまも はぐれて昏迷する
いまだ 真理に遠く困窮する
いまさら どうすることもできずたじろぐ
ただ あらがいながらも 
問い続ける〈いま〉は 
まだ残されて 
ある

〔2020年8月31日書き下ろし。ただ動いてきただけの自分の不甲斐なさを振り返る〕